本年(2016年)最後の投稿として、QSによる大学の世界ランキングの今年度版につき、ひと通りまとめておきます。
まず、東南アジアの大学では、シンガポール国立大学と南洋工科大学が各々12位、13位と昨年度のランクから変わらず、依然、他国の大学を引き離しています。
その次に挙がるのはマレーシアのマラヤ大学で、2013年度ランキングの160番台から150番台、140番台と年ごとに少しずつ上げてきた流れを維持し、今回は133位になりました。なお、同校のホームページで、この年々の上昇ぶりを強調してトップバナーの一つに掲げているのも相変わらずです(※2016年11月末現在)。ちなみに、マレーシア国内で同校に次ぐマレーシア国民大学と理・工・農科系の3大学も、多少の順位の入れ替えこそあれ、300番前後で順当におさまっています。
マラヤ大に続いて、タイのツー・トップ、チュラロンコン大学とマヒドン大学が252位、283位でランク・インしていますが、その両校に関して、QSの世界ランキングではなくアジア・ランキングでは例年マヒドン大の方が上位に来ていたものを、本年度はアジアのランキングでもチュラロンコンの方が上回る結果となりました。
ASEAN諸国の最高学府としては、以上のほか、325位のインドネシア大学に加えて、フィリピン大学も374位に入り、(前年の401-410位より)また1番ずつランク付けされる位置へ戻りました。この点、同学のホームページでも、400位以内への復帰を祝して(?)トップバナーの一つに掲げられています(※※2016年11月末現在)。
一方、日本の大学も、昨年度のランキングでのちょっとした変調から、今年は、東大が京大を再逆転して国内首位に立ったうえ、旧帝国大学の七大学(北海道、東北、東京、名古屋、京都、大阪、九州)と東京工業大が順次30~130番台で登場する形に戻りました。また、早慶のほか、東工大以外の旧官立大学もそれぞれ200番前後から300番前後につけましたが、そのうち、少し順位を落とした神戸大が369位で、世界400位以内に入る14大学の中では最後位となっています。
他方、神戸大と同格の一橋大だけは、旧官立大のなかで唯一このランキングに出てきていませんでしたが、2016年度版では481-490位と、まだ400位には届かないものの、前年までの低評価(格付け外)から急浮上してきました。整理すると、旧官立大としては、トップの東京工業大(56位)から、旧文理科大の流れを汲む筑波大(225位)と広島大(297位)が続き、その後を旧商科(商業)大の神戸大と一橋大が追っているようです。
※ マラヤ大: https://www.um.edu.my
※※ フィリピン大: http://www.up.edu.ph