旧制医科大学とAUN

投稿者: | 2015年12月21日

前回、AUN (ASEAN University Network) の単位互換制度にふれましたが、その参加校には、域内の加盟国だけでなく他国の大学も含まれています。この制度を担当する事務局のウェブサイトによると、東南アジア以外では2大学-いずれも日本の大学で、京都大学岡山大学です(※)。

京大については、以前、同学の東南アジア研究所にも言及しながら既にとりあげましたので、ここでは岡山大の方から掘り下げていきます。官立としては1922年に発足した岡山医科大学の流れを汲む岡山大は、2012年、他の旧制医科大学(新潟大、金沢大、千葉大、長崎大、熊本大)とともにコンソーシアム(国立六大学国際連携機構)を結成し、その幹事校となりました。そして翌2013年には、機構とAUNとの間でパートナーシップ協定が結ばれています(※※)。AUNの単位互換制度のなかで、京大に続いて岡山大の名が挙がるのは、この繋がりからでしょう。

なお、岡山大では、一般的な交換留学(短期留学プログラム)と合わせて、「グローバル人材育成特別コース」と呼ばれる別の制度も2013年より設けられています。同学へ入学後に申請して当該コースへ入ることを認められれば、自分の所属する学部で学び続けながら、コースで求められる語学その他の科目も履修していく、という形が採られています。このなかで、海外留学・インターンシップも選択必修とされており、その協定校には、チュラロンコン大学ほかタイをはじめASEANの大学もあります。

ちなみに、岡山県の西隣にある広島大学でも、このチュラロンコン大学などASEANへの留学をとり入れた同様のプログラムが全学的に実施されています。ただ、そのプログラムは文部科学省の「大学の世界展開力強化事業」として行われており、今のところ2017年度までとなっています。

広島大に限らず、こうした制度は年々変わっていく可能性があるもので、当サイトが対象としている大学での新たな導入や変更、廃止については、今後も随時ふれていきたいと思います。さしあたって次回、これまでにとりあげてきた日本国内の大学を幾つか振り返り、簡単にまとめてみます。

 

※ AUN-ACTS (ASEAN Credit Transfer System) Secretariat: http://acts.ui.ac.id/about-aun-acts/participating-universities.html (2015年12月20日 アクセス)

※※ 参照記事(日本学術振興会 バンコク研究連絡センター): http://jsps-th.org/2013/04/22/360/ (同上)

 

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