月が変わり、世間はクリスマスをはじめ年末年始のイベントへ目が向き始める時季になりました。他方、先月(2015年10月)は、にわかにパンプキン味の菓子、パン等が販売されたり、そこかしこで仮装や装飾が施されたり、月末にかけて特別企画が催されたりと、ハロウィンを祝う(?)ムードが市中に広がりました。とはいえ、このハロウィン、最近まで、少なくとも日本ではそれほど広範に関心の示されてこなかった行事だったように感じます。実際、ハロウィン市場の規模は、推計ですが、この4年間で500億円台から1,200億円台へ倍増以上のペースで急拡大してきたとも(※)。ハロウィンは、この勢いで来年以降も年中行事として日本に根付いていくのでしょうか。
この点、次なるビッグ・イベントのクリスマス(イヴ)も、今のような形で日本に定着したのは、ほんの数十年ほど前からと聞きます。江戸時代までは言うに及ばず、明治維新後もキリスト教の疎まれる時代がしばらく続きましたが、次第に、宗教文化というより消費文化として日本でもクリスマスが浸透しだし、戦後にはクリスマス・ケーキやプレゼントを買い家族で祝う所も増えてきて、さらに、カップルで会って過ごす風潮が広まったのは、20世紀も最後の四半世紀に差し掛かってからだそうです。前述のハロウィンはともかく、クリスマスの行事のように、ともすれば普遍的に見えて、でも実は年月とともに移り変わってきていることがあります。
前置きが長くなりましたが、今回とりあげる主役は、ハロウィンでもクリスマスでも、バレンタインでもなく、標題の通り、「AXJ」とか、あるいは「AEJ」とも略される、「Asia Ex(cept) Japan」(日本を除くアジア)が、今日のテーマです。この言葉は、かつてなら、後進国 (Less Developed Countries) ばかり目立つアジアにあって例外の先進国 (Developed Country) たる日本という、日本にポジティブな言い方の表現でした。しかし今日では、それと対照的に、成長期待の高い発展途上国 (Developing Countries) が多いアジアにおいて例外的な衰退国 (Declining Country) の日本という、日本にネガティブな見方の言葉へ変わっています。
近年そのように言われる背後には何があるのか、次回以降、より具体的に述べていきたいと思います。ただ、そうした変化を分からず(もしくは、分かろうとせず)、かつて日本の華やかなりし頃の認識から変えられずにいる日本人も少なくないことが、いよいよ日本の問題を深刻化させている気がします。ともあれ、以上、前置きの長くなった今回の投稿そのものが、まるまる次回以降に今月投稿していく内容の前置きでもあります。
※ 参照記事(ダイヤモンド社): http://diamond.jp/articles/-/80897/ (2015年10月31日 アクセス)