英語で話す練習の機会を増やす

投稿者: | 2015年10月29日

英語の学習をテーマに今回も続けていくと、戦後日本の英語教育で最も疎かにされ、かつ日本人が苦手としてきたのは、英語で話す技能でしょう。かねてから英語の読み書きについては学校でよく教育され、また、前回に述べた通りリスニングでも教材のように使えるものが増えてきた今日、残る課題は、スピーキングのスキルをどのように強化していくかです。

従来は、実践の場、つまり英語で話す練習の機会を持ちにくかったことが、一つ大きな制約としてありました。しかし、この点に関しては、先だってフィリピン大学についての投稿で言及した通り、近年、フィリピンで一対一のレッスンを集中的に受ける英語留学が広まってきていますし、現地へ行かずとも、Skypeを利用してインターネットで同様に受講するオンライン英会話が日本でも認知されつつあります。

率直に言って、英文法に関しては日本の学校の方が概して手厚く教育され、その点、特に日本の上位大学の学生ならば、平均的なフィリピン人の講師より秀でている場合も珍しくありません。ただ、そうした学生でもあまり英語で喋れず、他方、フィリピン人の講師は自由な感じで英語を話し、その意も相手に通じている、というケースがよくあります。文法など細かい点を意識して話せずにいるより、意思の疎通という目的を押さえた講師の姿勢から学ぶこともあるでしょう。

とはいっても、これまた以前に記した通り、ここ数年で円安ドル高の進んできたなか、フィリピンの通貨ペソは、アジア新興国のなかでも比較的堅調を維持しています。結果的に、2010~2012年頃は100円で50ペソ以上だったのが、最近は30ペソ台で推移していて、この間、日本の円で計算した留学費用や受講料金が徐々に値上がりしてきており、こうしたサービスの今後の価格動向も気になります。

さらに言えば、いかに、かつてより格段に安く英会話のレッスンを受けられるようになったとはいえ、それでも、前述のような新しいタイプのものでなお何千円かは月々かかってきます(※)。スピーキング以外の技能については、せいぜい参考書等の購入に数千円かかることが時々ある程度で済むでしょうが、それと比べれば、今の価格水準でもまだまだ高額です。英語で話すスキルを、より経済的、効果的に伸ばしていく方法はないか、これから関心を寄せて当サイトでも随時ふれていきたいと思います。

※ Skypeを利用した25分のレッスンを1日1回まで、受講してもしなくても毎月定額請求されるパターンで契約した場合、安めの事業者で約4~6千円/月といった辺りが相場のようです(2015年10月現在)。

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