IELTSとTOEFLの比較

投稿者: | 2015年10月21日

前回に続き、IELTSとTOEFLの異同について、リーディングのパートを例に掘り下げていきます。

はじめに、両者へ共通して言えることとして、幾つかの大問から成る、全部では相当な量の英文を一定時間内に読まなければならず、それぞれのポイントをスピーディーに把握していく必要があります。そこで重宝されるのが、「スキミング」や「スキャニング」と呼ばれるテクニックです。

まず、何だか犯罪めいた名の「スキミング」に関してですが、その主眼は、要点のみ押さえるべく速く読んで、文章全体の大意をつかむことにあります。トピック・センテンスとか、最初と最後の段落に注目するとか、細かくはいろいろとありますが、このスキルはIELTSでもTOEFLでも有用です。

他方、「スキャニング」の方は、ある単語やフレーズに注意して、文章の中で特定の箇所を早く見つけ出すのに用いられます。こちらは、文章の中でどの部分が問われているのかさえ分かれば簡単に答えられる小問も少なくないIELTSで、特に重要です。

その他の違いとして、IELTSと比べTOEFLではマニアックな単語もよく見られます。そもそもからして、生物、地学ほか自然科学や、アメリカの歴史などに関する文章から出題されることも多いですが、TOEFLを受けるに当たっては、そうした分野の英単語なども特に努力して覚えておかないと、試験当日あまり首尾よく行かないかもしれません。一方のIELTSでは、マイナーな単語も覚える努力はそこまで求められない印象です。

 

いずれにせよ、前述の通り、両者とも一定の時間内で多量の英文を相手にする必要があり、一つ一つの文を読んでいくのに時間がかかっていると厳しい結果に終わるはずです。それこそ、例えばSVOだのSVOCだの構文に構い過ぎ、一文の中でも行きつ戻りつ読んでいては、とうてい試験時間内に対処しきれるものではありません。日本語の文章を読む時と同じく、英文でも前から読み下していって文意を分かるようになることが、最初の第一歩でしょう(※)。

※ この点、筆者の場合は高校生の時分に教わりましたが、その講師の著した参考書がまだ普通に(?)売られているみたいなので、文字通り参考までに挙げておきます: 表三郎(1991)『スーパー英文読解法』(上)(下)、論創社。

 

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