1. 国際性の大学
タイでは、チュラロンコン大学に続いてマヒドン大学もとりあげます。
19世紀に医学校として始まったマヒドン大学は、その関連分野を強みにしてきましたが、後に国際化で先行し、QSのアジア大学ランキングではチュラロンコン大学をも上回るようになっています。
そして当然に(?)、マヒドン大学は、このアジア大学ランキングの方を世界ランキングより強調し、同校のホームページでは、国内No.1にしてアジア44位とアピールされています。
2. 国際性の中心 - インターナショナル・カレッジ
さて、同校の国際性に関してですが、マヒドン大学はインターナショナル・カレッジ(以下、IC)という独立の部局を擁し、このICを中心として、チュラロンコン以上に多様で数多いインターナショナル・プログラムを学部レベルでも備えています。
具体的には、社会科学、ビジネス系の一般的な専攻から、「ツーリズム&ホスピタリティ・マネジメント」、アニメーション制作など「エンターテイメント・メディア」専攻といったユニークなものまで、より豊富な選択肢があります。
他方、学費の面では、例えばICの場合、いわゆる文系の領域の専攻で4年間合計の見込額が834,400~873,600バーツ(1バーツ3.6円で換算して300~315万円)、理系の専攻で950,300バーツ(同じく約340万円)と、一部の専攻(例.エンターテイメント・メディア専攻:1,508,400バーツ)を除き、総じてチュラロンコン大学よりは授業料等を低く抑えられています(※)。
3. タイの大学の名称
ところで、タイの大学は、チュラロンコンにせよマヒドンにせよ、いずれも日本人には馴染みの薄い名称かと思われます。
東アジア諸国では、各国を代表する大学に国名や首都の名を付けることも多いですが、タイの場合、同国の名門大学にはタイの王族の名が冠されています。ちなみに、前掲の両校については、それぞれチュラロンコン王とマヒドン王子に由来します。
19世紀の前後、東南アジアでは欧米列強による植民地化が進みましたが、そのうち唯一タイだけが、植民地になることを最後まで免れました。
タイ王国が、国としての独立の維持を図っていくなかで、自ら近代的な教育の構築も推し進め、各大学を整備していった名残りと言えるかもしれません。
※ 本頁で挙げた金額に関して、適用時点(何年度の授業料か)など細かくは分かりませんが、2015年8月4日現在でICのウェブサイト(http://www.muic.mahidol.ac.th/eng/?page_id=11629)に掲載されていた内容に基づいています。