東南アジアで学ぶ: チュラロンコン大学(タイ)

投稿者: | 2015年8月3日

1. タイの東大

マレーシアに続いてタイの最高学府、チュラロンコン大学をとりあげます。

イギリスの植民地だったマレーシアより、タイでは英語を用いる場面が限られ、同校でも、タイ語による通常の課程と分けて、英語でのインターナショナル・プログラムを別に設けています。

学部レベルでは、2015年度で9の学部に13のプログラムが用意されており、その例として経済学やインターナショナル・ビジネス・マネジメント、会計学などが挙げられます。

2. タイの大学の問題点

現状、出願受付は4月末に締め切られて、5月前半に筆記試験や面接を行われ、6月初頭に合格者が発表される、という流れで、時期的にはそれほど問題が無さそうですが、問題があるとすれば、仮に合格できたとして、入学から卒業までにかかってくる学費の方でしょう。

インターナショナル・プログラムで入学した場合、外国人留学生は授業料等として年間およそ33万バーツ(2013年度)、日本円に換算して120万円弱(1バーツ3.6円で計算)を徴収され、これは、日本で国立大学へ通った場合(同年度 授業料535,800円/年)の倍以上の金額です。

ちなみに、前回とりあげたマレーシアへの留学と比べると、はるかに低コストで済むマラヤ大学ほか現地の大学は言うに及ばず、それよりずっと高額なノッティンガム大学(英国)など先進国の大学のマレーシア・キャンパスへ通った場合の学費と、ほぼ変わらない水準です(※)。

3. ある対応策

したがって、ここでもまた、とりあえず日本の国公立大学へ入学し、授業料はそちらへ払いつつチュラロンコン大学で学ぶ交換留学等の機会を活用する案が出てくる訳ですが、今まで挙げた日本の大学のなかでは例えば神戸大学経営学部に Kobe International Business Education and Research (KIBER) というプログラムがあります。

同学部へ入学後、英語で学修する能力を高めていきながら、3年次を目途に1年間の海外留学が組み込まれているもので、その提携先には欧州の大学が多いですが、ASEAN加盟国のなかでは唯一このチュラロンコン大学も含まれています。

 

※ ノッティンガム大学のマレーシア・キャンパスへ入学した場合、いわゆる文系の標準的な専攻で年間38,000リンギット(2015年度)、約125万円(1リンギット33円で計算)かかりますが、専攻によっては-例えば英語関連の専攻ではそれより2割ぐらい安かったり、経済やビジネス系の専攻は逆に8%ほど高かったりします(理系の領域だと、それより更に高くなる専攻も)。

 

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