1. マラヤ大学 序説
東南アジアの大学のなかでは、マレーシアのマラヤ大学を最初にとりあげます。
同国トップの大学であるマラヤ大学は、当サイトでも参考にしてきたQSの大学ランキングを気にかけているようで、同校のホームページの上部には、そのランクが大きく掲げられています。ちなみに、数ヶ月前に見た時は世界ランキングの順位を載せていましたが、今(2015年7月末現在)はアジア大学ランキングの順位と国内ランク(1位)を示しています。
このQSのランキングを上げることが目的ではないでしょうが、同校でも近年、留学生の受け入れへ積極的になってきています。
とはいえ、従来、マラヤ大学をはじめとするマレーシアの国立大学では、自国民、なかでもブミプトラ(マレー人ほか先住民)へ高等教育の機会を提供することに重きが置かれてきました。実際のところ、マラヤ大学の場合、大学院では留学生の数が全体の3割超にのぼる一方、学部レベルでは留学生の割合が依然1割以下に抑えられています(※)。
2. マラヤ大学 概説
マラヤ大学に関して、学費などコストの面では、自国民の学生より外国人留学生向けに高く授業料等を設定していますが、それこそ、次回に扱うタイの大学の学費と比べれば、まだ相当リーズナブルです。より具体的には、専攻によって少し差があるものの 1学期当たりの授業料は3,000リンギット前後と、1リンギット33円で計算して10万円ほどです。
ただ、前述のような背景もあり、特に学部レベルだと授業でマレー語を用いられることが比較的まだ多く、1年次から同校へ入学して学部の課程をまるまる消化していくのには、所属先にもよるでしょうが(マレー語か、それと似たインドネシア語の知識がなければ)少なからぬ労苦を伴うかもしれません。
3. マラヤ大学で学ぶ道
そこで、こうした事情からも、現状では、先日に述べた通りまずは日本国内の大学へ入り、交換留学等で一定の期間に限って同校で学ぶ、といった手が考えられてきます。
その目的のために利用できる機会はいろいろと見つけられますが、ここでは一例だけ挙げておくと、例えば早稲田大学で設けられている、一般的な交換留学とは別の短期プログラム(国際教育導入プログラム)が該当するでしょう(※※)。
※ 同校のサイト(http://www.um.edu.my/about-um/um-fact-sheet/)によると、大学院では学生数9,043人中3,175人が留学生ですが、学部の学生だと全体で8,049人のうち留学生は792人に止まります(2015年7月31日 アクセス)。
※※ 2015年7月末現在、この国際教育導入プログラムの関連記事が、東洋経済オンラインに掲載されています(http://toyokeizai.net/articles/-/56665/)。もっとも、当該プログラムで、マレーシアに限らずベトナムへ行くプランもありますし、それ以外にも同学では、アジアの大学との交流プログラムが用意されているようです。