1. 京大と東南アジア
前回の東京大学に続いて、今回は京都大学をとりあげます。
京大には、その名も「東南アジア研究所」(*)という、東南アジアに関しては国内有数の研究機関があります。ただ、学部レベルでは、東大だと教養学部にあったようなアジアへ特化した専攻も見当たりません。ちなみに、かつて京大の旧教養部が解体され総合人間学部が発足して間もない頃は、近くの例だと神戸大学の国際文化学部と似た学科が、この学部にもあったように記憶していますが、改組を経て、いつの間にか分からなくなっています。
2. アジア向けの新ユニット
しかし、それに代えて、文学部、経済学部、教育学部など複数の部局で運営する「京都大学アジア研究教育ユニット」(※)から提供されるアジア関連の講義が、科目によって受講資格等が少し違ったりするものの、左記の学部の学生に限らず広く開講されるようになっています。
数年前にスタートしたばかりのユニットらしく、今後の運用に関してはまだ流動的な部分も多々ありそうですが、例えば、このユニットを通じて提供されているなかから特に興味のある科目を幾つか調べてみて(※※)、とりわけ深く学びたいと思う分野、担当教員の属する学部・専攻を受験する、といった手が考えられます。
3. 後説
京都大学なら、特定の学部・専攻に狙いを定め、いったん合格できてしまえば、入ってからは大学時代まるまる注ぎ込んで自分の描く未来に向け邁進していけるので、その点、入学後のパフォーマンス次第で希望の専門課程(後期課程)へ進めない可能性も残る東京大学より、ある程度しっかり将来の方針が立っている人には魅力的かもしれません。
※ 京都大学アジア研究教育ユニットの講義やその他の活動について、詳しくは次のサイト(同ユニットのホームページ)に掲載されています: http://www.kuasu.cpier.kyoto-u.ac.jp/ (2015年7月24日 アクセス)
※※ それぞれの科目の内容については、各学部のシラバスを下記のサイト(京都大学オープンコースウェア)で見ることができます: http://ocw.kyoto-u.ac.jp/syllabuses/ (同上)
(*)追記事項:2017年より「東南アジア地域研究研究所」と改称されています。