東南アジア諸国のトップ大学

投稿者: | 2015年7月21日

前回の投稿に関連して、ハーバードやスタンフォード、あるいはオックスブリッジ(オックスフォードとケンブリッジ)など、欧米トップの大学なら名称を知っている日本人も多いはずですが、アジアのトップ校となるとどうでしょうか。

日本の近隣でも、北東アジアの中国と韓国については、それぞれ北京大清華大ソウル大ぐらい聞いたことのある人も少なくないと思いますが、東南アジアの大学に関しては、普段あまり耳にする機会も無いかもしれません。

東南アジア諸国のうち、シンガポールは、一人当たりGDPで今世紀に日本を抜き、アジアで最も経済発展の進んだ国となりましたが、その最高学府であるシンガポール国立大学も、国際的に名声を高めてきました。

今や、大学の世界ランキング(QS)でも東京大を上回るようになっていますが、ランキングだけに限らず、現地で学ぶ間の滞在費(生活費)や、そして何より学費が、東大へ進学した場合と比べて高くつきます。

ただ、既述のとおり世界的なトップ・スクールの一つとして認知されてきつつあり、欧米の大学への留学を考えるような層の中でも、気の早い人たち(!)を中心に、シンガポールまで候補に加え、合わせて検討されることも出てきているようです。

次に、シンガポール以外のASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国で、この世界ランキングに入ってくる各国の大学を見ていくと、シンガポールの後にマレーシアの大学が、マラヤ大学を筆頭に百番台から登場します。

さらに、タイのチュラロンコン大学と、次いでマヒドン大学が、二百番台で続きます(タイの両校の順位差は小さく、評価基準の項目が異なるQSのアジア大学ランキングでは、逆にマヒドンの方が少し上位に来ます)。

このQSの世界ランキングでは、四百位まで一番ずつ順位づけられますが、今まで挙げた国の他にインドネシア大学フィリピン大学が三百番台でランク・イン、というのがここ何年か定着してきています。

ここで、ことのついでに、四百位までに入る日本の大学も確認しておくと、旧帝大の七大学(北海道、東北、東京、名古屋、京都、大阪、九州)と東京工業大が三十番台から百三十番台にかけて順次登場し、さながら第一グループとでも呼べそうな形になっています。

次に筑波慶応早稲田の三大学が二百位前後に、続いて東京医科歯科神戸広島の三大学が三百位前後にランク付けされ、そこまでとなります(なお、タイのところで言及したアジア大学ランキングでは、この第二グループ(?)の六大学の差が縮まり、一部で逆転することも)。

東工大が旧帝大と同等に扱われ、同じ旧官立大でも一橋大は四百位以降にさえ出てこないなど、この世界ランキングでは理系、特に理工系分野が高く評価される一方、いわゆる文系の分野が軽視されている、といった特徴はあるものの、他の機関による類似の世界ランキング(※)よりは癖の少ない、納得感の高いものに映ります。

次回の投稿からしばらく続けて、上で挙げてきたASEANの大学と、さらに幾つか日本の大学についても個別にとりあげていくことにします(日本の大学を加える理由に関しても、合わせて次回に述べます)。

※ ここでは、Quacquarelli Symonds社(QS)による大学ランキングの2014年度までのものを参照しました。この他でも例えば Times Higher Education によるランキングが有名ですが、そちらでは、理工系だけでなく医歯系分野も同様に重視の度合いが強まり、また、東京にある大学が高く評価されるなど、より癖が多く見受けられます。

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